齊藤です。
本日は就職や転職の面接を受ける方に向けた「面接対策」の記事です。
面接という限られた時間の中で、応募者も面接官もお互いに「良い時間だったな」と振り返れるような、密度の濃い面接になるためのポイントをまとめました。
面接の目的は採用の合否を判断することではありますが、しっかりと準備して臨むことで自分のキャリアの振り返りや、これからの未来をどのように歩んでいくかを見つめ直すきっかけになり、その後の人生において転機となる場合が多いです。
さらに述べると、面接は面接官、応募者という立場を超えて、人と人が「これから一緒に働く」という視点で様々なコミュニケーションを図る貴重な時間です。
相手に共感したり、新たな視点や学びを得ることができたり、そして時には相手の純粋で強い志や想いに胸が熱くなることもあります。
良い面接は強く心に残るものです。
せっかくの出会いと貴重な時間を有意義にするためにも、入念な準備をして面接に臨むことは最低限のマナーです。
それでは見ていきましょう!

1、スキル・キャリア
面接という時間の限られた場で、自分の魅力を印象付けるためには、自身の持つスキルや実績をアピールすることが有効です。
ただしそれには相手の立場になって自分を客観的に評価できる視点が極めて重要です。順番に見ていきましょう。
見落としがちな注意点
面接官はあらかじめ職務経歴書に目を通している場合もあります。
そのため、面接は基本的に職務経歴書に沿った形で質問されることとなります。
あなたの述べる内容と、記載されている内容に矛盾が無いように気を付けましょう。
もちろん嘘は厳禁ですが、嘘をつく意図がないのに、記載されていることと異なることを述べてしまうと印象は悪くなります。
記載されている内容を覚えておくことも面接対策では重要です。
スキルに対する2つの視点
記載されている内容がどれだけ輝かしい実績やキャリアに満ちたものだとしても、
- 元気がない
- 表情が暗い
- 自信なさげな様子
これでは説得力がなく、面接官は疑念を感じてしまいます。
「この人の書いていることは本当だろうか?」と。
あなた自身が魅力的なスキルを持っていたとしても、面接では相手に説得力と表現力を豊かに、「そのスキルをアピールするスキル」を発揮できるかも問われるのです。
特に異業種への転職の場合、面接官はあなたがこれまで積んできた職務内容に対する具体的なイメージが持てない場合が多いです。
そうした場合、あなたの実績や強みをわかりやすく相手に伝えるためには、表現方法には工夫や注意が必要です。
難しい専門用語や業界用語を使わずに、面接官があなたがこれまでどんな仕事で活躍してきたかがイメージできるような表現を意識してください。

2、意欲・やる気
私はこれまで面接官として正社員、アルバイト問わず200名以上の面接を担当してきました。
その中でスキルやキャリア以上に、その人の持つ意欲とやる気を評価して採用したケースもあります。
ここでは面接官がどのようにそれを判断するかの基準として2つのポイントをご紹介します。
志望動機
面接において志望動機を聞かれないということはあり得ないです。
そしてこの志望動機は採用の可否に大きな影響を与えます。
「数ある求人の中からなぜ弊社を志望するのか?」
面接官の問いに明確で根拠のある理由を答える必要があります。
抽象的で曖昧な表現や、どの業種にも使えそうなありきたりな表現では面接官に
「ウチの企業じゃなくても良いのでは?」と受け取られ、志望の意欲が相手に伝わりません。
- 「頑張ります!」
- 「何でもやります!」
これらを連呼したところで、具体的な志望動機がなければその時点で不採用になるでしょう。
理想的な志望動機としては、これまでのキャリアや経験など、「過去」の自分だけの具体的なエピソードを盛り込みつつ、
そこで学んだ経験や感じたことを踏まえて、これからの「未来」「目標」に向けて自分はどう歩んでいきたいかを具体的に述べることです。
数値で明確に伝えられるものは数値化してください。
- 「将来的に独立したくてノウハウを学びたい」
- 「2023年の9月までに故郷の仙台で独立したい」
どちらの目標がより強く印象に残るかは言うまでもありません。
これまでの過去とこれからの未来を紡ぐ、明確で説得力のある志望動機を自分の言葉で考えて下さい。
企業分析
明確な志望動機があるだけでも大きいですが、加えてもう一つ、志望する企業を事前にしっかりと研究すべきです。
これは志望動機の項目で述べた、これから目指すべき目標と未来を達成するために適している環境かどうかを見極めるためです。
私の実際のエピソードをお話ししましょう。
過去に所属していた外食産業の企業で、私は面接官として中途採用社員の面接に臨みました。
その際に応募者の方の志望動機で
「外食産業の中で事業拡大し成長している御社で新しいチャンスを掴みたい」
こうした内容がありました。
その当時の会社は数年前から事業再編により、新規出店よりも不採算店舗のスクラップや業態変更が相次ぎ、
店舗数もグループ年商も緩やかな右肩下がりの状態でした。
直近の4年間はお世辞にも成長しているとは言えない状態でした。
こうした業績トレンドは会社のホームページのIR情報からチェックできる状態でした。
こうした実態に目を向けずに入社したとしても
- 「新規事業、新規出店に携われるチャンスがない」
- 「店舗数も減っているのでポストに空きがない」
- 「昇格のチャンスが巡って来ないので年収が上がらない」
こうした現実に直面し、良さそうに見える別の企業にまた転職していく可能性が高いです。
採用サイドとしても、せっかく求人費用をかけて面接採用し受け入れたのに、すぐまた辞めていってしまうことは痛いです。
人事配置を組み直したり、また求人コストや研修コストが発生したり、様々なロスが発生します。
これらを事前に回避するための判断材料が、どれだけ事前に会社や店舗を下調べして応募したかです。
特に実店舗を利用したり、サービスを受ける、購入するといった事前研究はあなたの志望度や意欲がより強く面接官に伝わりますし、
面接の場においてそれらを踏まえての一歩踏み込んだ鋭い質問ができると尚良しです。

3、人間性
最後の3つ目を最も重視する企業も多いです。
「人間性」と述べましたが、言い換えれば「協調性」や「社会性」とも言えます。
採用する側も感情を持つ人間である以上、最終的に判断のポイントとなるのは
「目の前のこの人と一緒に働きたいか?働きたくないか?」
この考え方です。
ここまで述べてきたことで例を挙げると、輝かしいキャリアと実績があり、十分な企業研究を土台とした明確な志望動機がある。
しかし面接の場において
- 「挨拶がちゃんとできない」
- 「愛想がない」
- 「言葉遣いが悪い」
- 「清潔感がない」
- 「前職の悪口を言う」
こうした要素を含む人とあなたは一緒に働いていきたいでしょうか?
自分が面接官ならばどのような人を迎え入れたいかを考えれば、自ずと答えは見えてくるでしょう。
少々のキャリア不足や志望動機の弱さは、入社後の研修や先輩社員とのコミュニケーションで徐々に鍛えられていく可能性は大いにありますが、
人間性に難があると判断されれば、そのチャンスすら与えられずに終わってしまうのです。
このことをしっかり自覚し、決して油断せずに自分自身をアピールして下さい。
いかがでしたでしょうか?
- スキル・キャリア
- 意欲・やる気
- 人間性
この3つの視点でご自身の職務経歴書や面接の準備を行い志望企業からの採用内定を勝ち取って下さい。