こんにちは、齊藤です。
本日は人材教育において有効な手段の一つである「個人面談」がテーマです。
部下を持つ管理職の方であれば、定期的に個人面談を実施する方も多いと思います。
人事評価のフィードバックや情報の共有など、個人面談を行う目的は様々です。
面談を行う上でのメリットと注意点をまとめました。
個人面談のメリット
個人面談のメリットとしては
- 一対一で話し合うことで、今まで気づかなかった情報や発見が得られる。
- 目の前の一人にフォーカスして話すので、多数を相手にした会議よりも理解が高まる。
- 他者がいない状況なので、プライベートでデリケートな話題の解決に着手できる。
こういったことが挙げられます。
アルバイトスタッフであれば、定期的な人事評価は時給査定という手段で行われることが多いです。
3か月に一回くらいのペースで、自己評価・上司評価を踏まえた上で、面談を行うこともあります。
個人面談はスタッフ一人ひとりと膝を交えて向き合い、仕事の進捗や成長度合いを確認する絶好の機会です。
また、学校の授業や進路をはじめ、親御さんや兄弟などの家族の事情、恋人との悩みなど、
仕事の傍らで様々な悩みを抱えていたりするものです。
自分からはなかなか相談しづらい内容でも、定期的にこうした機会を設けることで、
スタッフの方から悩みを打ち明けてくれる可能性もあります。
事前に様々な悩みを把握し、できる限りの協力をすることで解決に導いたり、
こちらが予期せぬタイミングで突然シフトが激減したり、退職するリスクを減らせます。
スタッフにはプライバシーもありますので、なんでも首を突っ込みすぎるのは
良くありませんが、かといってスタッフに無関心の方が問題です。
「愛情の反対は憎しみではなく無関心」
こうした格言もあります。
少なくとも3か月に最低1回は個別面談をすることをおすすめします。
個人面談での注意点
個人面談で注意することがあります。
私は20代の頃、この個人面談で失敗しスタッフが退職してしまった苦い過去があります。
それは「職場での悩みを打ち明けられた時の対応」です。
業務内容や待遇への不満
20代で店長をしていた時、お店には外国人スタッフが沢山働いていました。
留学生として昼は大学で学び、夜は私の店でアルバイトして学費と生活費を稼ぐという生活です。
そのスタッフが入店して1年以上経過した、ある日の個人面談の場で次のようなことを言われました。
Aさん
「店長、私はBさんよりも仕事を頑張っています。Bさんよりもできることが多いし早く終わらせられます。私とBさんが同じ時給なのは納得できません」
こうした内容でした。
Aさんはどちらかというと作業特化型のスタッフでした。
接客が好きで笑顔で愛想が良いというよりも、段取り良く作業を完了させたり、
仕事の効率化のために自分で考え、黙々とスピーディーにしごとを片付けていくタイプでした。
Bさんは正反対で、笑顔で愛想が良く、お客様受けの良いスタッフでした。
お客様の名前をよく覚え、お客様にも名前と顔をよく覚えられるスタッフでしたが、
周囲を気にせずややマイペースなところがあり、作業スピードが早くなかったです。
Aさんは裏方の司令塔でホールとキッチンのつなぎ役ともいうべきポジション。
Bさんは接客の最前線でお客様に近いところで満足度を高めていくポジション。
どちらも非常に重要な人材でした。
それぞれの持ち味を生かした貢献の仕方で、お店に尽力してくれているのです。
ただ価値観の違いが存在し
- Aさんにとって仕事とは「作業」
- Bさんにとって仕事とは「接客」
この違いをAさんに説明し、どちらもお店にとっては重要なピースであることを
必死に説明したことを覚えています。
しかし残念ながらAさんに納得してもらうことができず、
それから間もなくしてAさんは退職してしまいました。
私は個人面談において、Aさんが抱いていた不満を聞き出したのですが
結果的にその不満を解決させることができませんでした。
そして退職となってしまいました。
この経験から私が学んだことは
- 「悩みを打ち明けた側は、程度の差はあれど相手に対して解決の期待をする」
- 「解決を期待されてそれに応えられなかった場合、面談前よりも状況は悪化する」
という事実です。
面談で悩みを打ち明けられた場合は、その相談に対して真摯に向き合い、
曖昧な返答をしたり、ズルズルと結論を先送りしたりすることは危険です。
モチベーションを高めるつもりの面談が、結果的に全く逆の結果を生むことになります。
スタッフによっては、または実際に起こっている問題の内容次第では、
面談を行うタイミングにも気を付けた方が良いです。
人間関係の不満
特定のスタッフの名前が挙がり、何らかの形で人間関係に支障が出ている場合、
シフト作成やポジション配置に対しては、シフトが重ならないように考慮した方が良いです。
ただ当事者同士を切り離して終わりではなく、できるだけ第三者を挟まず、
当事者から事情を正確にヒアリングし、解決に向けてできることに着手します。
内容が深刻だったり、他のスタッフのモチベーションまで悪影響が出るようなケースであれば、
直ちに本人と面談し、冷静な事実確認の上で毅然とした対応に迫られるケースもあります。
個人面談で上がってくる悩みの大半は、スタッフ同士の人間関係に起因するものです。
前項の労働条件や待遇よりも、周囲に与える悪影響は大きいもの。
時間をかけずにスピーディーに取り掛かることを心掛けましょう。
いかがでしょうか?
個人面談で注意すべき面にも意識を向けて、一人一人のスタッフと正面から向き合い、
信頼関係を構築していってください。
全員が納得できるような結論を出すことは困難だとしても、
誠意をもって臨む姿勢があれば、相手の心を動かし信頼につながると信じています。