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転職準備

【飲食業転職】飲食業のスキルや資格、働くメリット【店長の実体験】

皆さんこんにちは、齊藤です。

「飲食業から他業種に転職を考えている人」

「他業種から飲食業に転職を考えている人」

本日はこうした方に向けた記事です。

この記事を書いた理由としては、現在もまだ新型コロナウイルスの影響で営業自粛している飲食業の方たちが多いので

  • 転職や就職を考えている人たちの判断のお手伝いをしてあげたい。
  • 飲食業で働いている人たちに業界の良いところを再確認するきっかけを与えて、飲食業で頑張っていく気持ちを後押ししたい。

私のこうした考えからです。

飲食業 スキル

飲食業で身につくスキルや資格

一般的にキツいイメージで思われがちですが、飲食業ならではのメリットも沢山あります。

接客対応やマナー

丁寧な言葉遣いや立ち振る舞い、電話対応といった飲食業だけではなく、様々な業種でも活かすことのできるマナー全般が身につきます。

どんな仕事でも人と人との関わり合いが存在しますので、様々なお客様や共に働くスタッフと常に接することが求められる飲食業の仕事は、こうしたマナーを身につけやすい仕事です。

特に言葉遣いは正しく使えると面接や文章作成においても大きなメリットがあります。

調理技術や食材、お酒の知識

調理スタッフは仕事を通じて様々な食材の仕込み、加工、調理、味付けといった技術を学べることは言うまでもありません。

将来的に飲食業での独立起業を考えている人にとって必須の資格もありますので、飲食業に従事するうちに取得しておいた方が望ましいです。

キッチンスタッフが目指すべき資格一覧

  • 調理師免許
  • 食品衛生責任者
  • フードコーディネーター
  • ふぐ調理師
  • 製菓衛生師
  • パン製造技能士

調理に関わらないホールスタッフでも、お客様に商品を販売する上では、自分のお店のメニューを理解し正しくお客様に説明できることが必要です。

珍しい食材や聞き慣れない調理方法、お客様の好みに合わせた日本酒やワインの提案など、ある意味ではホールスタッフの方が幅広い知識と、それをわかりやすく伝える言葉遣いや表現方法が求められると言えます。

代表的な資格としてはワインソムリエ、そして私も取得している唎酒師が挙げられます。

サービスレベルの向上や、自分自身をサービスマンとしてブランディングしたい場合はサービス系の資格がおすすめです。

ホールスタッフにおすすめの資格一覧

  • レストランサービス技能検定
  • ソムリエ
  • 唎酒師
  • 焼酎唎酒師
  • バーテンダー

仕事を通じて得た知識や経験は、自分たちの食生活に対する意識も高め、飲食することの喜びを深めていってくれます。

野菜ソムリエやチーズソムリエといった様々な専門資格も存在し、自分の興味がある好きな分野のスペシャリストになることも可能です。

そうした知識を活かせるようになると、飲食店という枠組みの中でなくても活躍できる幅は広がります。

経営者としての店舗運営スキル

ある程度役職が上がって主任や副店長、店長になると、接客に加えて店舗のマネジメントが主な仕事になります。

  • 売上目標、利益目標、来客数目標の達成
  • 原価管理、人件費管理(FLコスト管理)
  • アルバイトスタッフや一般社員の採用と教育
  • 季節に合わせたイベントやメニューの開発と販売
  • 販売促進、広告宣伝の費用対効果を管理

主にこうした内容が重要です。

店舗の中の一つのセクションだけ担当するのではなく、一つの店舗全体を把握し、問題点の改善やセールスポイントのブラッシュアップを行うことが求められます。

飲食業は「労働集約産業」と言われます。
どんどん様々な作業が目の前に発生します。
だからと言って、何も考えずに日々与えられた仕事をこなす受け身の姿勢ではなく、問題点に対して自ら考え、主体的に行動することが幹部社員には求められます。

自分たちの取り組みの成果は全て数字で結果が出ます。数字はウソをつきません。

目標に対して未達成に終わった時にすべきことは

  1. 自店舗の問題点を優先順位の高いものから抽出する。
  2. なぜそうなっているかの本質的な原因を発見する。
  3. 原因を排除するための効果的な対策を実行する。

この3つの手順は不可欠です。

ここで見落としてはいけない重要な作業が2です。
2をスルーして「問題点の抽出」→「対策の実行」に行ってしまうと、問題点に対して効果的なアプローチができない場合があります。
問題点には「なぜそうなっているか?」の本質的な原因があります。
原因を特定することに労力を惜しまず取り組むべきです。

飲食業では非常に多くの数値指標があります。
目標数値を達成した時は大きな達成感と喜びを味わえるのが醍醐味です。
管理者は大変な分だけ、大きな成長のチャンスがあります。

コミュニケーション能力

飲食業は人と接することが仕事です。
お客様もスタッフも、幅広い世代や考え方、性格、嗜好が存在します。まさに十人十色です。

そうした様々な人たちに対して求められることは2つです。

  1. 自分の考えや気持ちを正確に相手に伝える。
  2. 相手の考えや気持ちを汲み取る。

飲食業で必要なコミュニケーションスキルとは、この2つであると断言できます。

言葉を正しく使うことはもちろんですが、時には相手の表情や声のトーンから本音を察知するといったことも求められます。

飲食業はごく一部の業種業態を除いて、自分一人で成り立つものではなく、必ず他者が存在します。それも非常に多くの人が取り巻く環境です。

この2つのスキルを身につけるには最適な環境です。

PCスキル全般

今ではどの飲食店でも、PCやタブレットは必ず1台はあるといっても差し支えない状況です。

飲食業での主な使い方として

  • 毎日の売上日報作成や、本部他店舗とのメール連絡
  • マニュアルや会議資料のワード作成
  • 営業報告書やレシピのエクセル作成
  • メニューPOPや各種帳票類の作成
  • 仕事に役立つ資料や動画のダウンロード

こうしたものが挙げられます。

日報報告やメール確認といった日々のルーティンワークのためだけに使うのはいけません。
日々の仕事を効率化、簡略化するために便利なツールを作成したり、手作業で行っているものをPCでシステム化したりといった使い方がポイントです。

飲食業では、こうしたPCなどのメディア運用に苦手意識を持つ人が多い印象です。
敬遠するのではなく、少しずつでも接客的に操作に触れていきましょう。

私の勉強方法としては

  • ワードやエクセルの書籍を購入して学習
  • YouTubeの動画で学習
  • スタッフで詳しい人に教えてもらう

こうしたことが挙げられます。

飲食業 メリット

飲食業で働くメリット

身に付けられるスキル以外にも、飲食業ならではのちょっとした利点があります。

平日に休める

飲食業は定休日がないところが多いですが、その一方で自分たちの休日をある程度自由に組むことができます。

小さなお子さんがいるスタッフは土日祝に休みをとって、家族みんなで時間を過ごせるようにしたりできます。

旅行やレジャースポットに行く場合は、混雑を避けるために平日に休みを取ったりと、シフト次第ではありますがある程度の自由度はあると言えます。

逆に休みが取りにくい曜日は金曜日や祝前日が挙げられますね。
土日はオフィス街などの店舗は閑散日だったりします。

美味しい賄い

飲食店で働く上で楽しみなことの一つが賄い(まかない)です。
特に一人暮らしでなかなか自炊する機会のない学生アルバイトさんにとって、プロの料理人が作るまかない飯は嬉しいご褒美です。

この賄いはお店によっては無料のところもありますし、1食あたり100〜200円発生するところもあり、様々です。
ごく稀に賄いの出ない飲食店もありますが・・・

美味しいご飯をお得に食べれるというメリットは非常に大きいですよね。

正社員やフルタイムで勤務していると、ランチが終わった後やディナーの開店前の時間に食べることが多いですが、1日の営業終了後にまた賄いを食べれるお店もあります。

こうなると、仕事のある日はお店でご飯が食べれるので、月間で考えるとかなりの食費節約になります。

この記事を書いている2020年5月上旬の時点では、まだ新型コロナウイルスの影響で営業自粛している飲食業の人が多いです。
仕事から離れてみて、あらためて賄いのありがたみを感じている人は多いのではないでしょうか。

幅広い世代や外国人との交流

飲食業は幅広い年齢層や、様々な国籍の外国人が働いています。

アルバイトスタッフに関しては、10代の高校生から60歳以上のシニアの方まで、実に年齢層が広いですよね。

近隣に大学や専門学校があるお店だと、留学生のアルバイトスタッフも沢山いたりします。

一緒に働くことを通じて、様々な価値観を持った人と刺激し合いながら成長することができます。

私もこれまで200名ほどの東南アジア圏の外国人スタッフと働いてきた経験があります。
日本人にとって当たり前の価値観が通用しなかったり、逆に当たり前のことをして大変感謝されたりと、日本にいながら外国人スタッフと一緒に働くということは有意義な体験です。

一昔前は、職場のスタッフに一人も外国人がおらず、全員が日本人というお店の方が良いという考え方もありました。
外国人を採用しないお店も実際のところ多かったです。

少子化の影響やアルバイトの選択肢が幅広くある今の時代は、日本人しか採用しない、というよりも日本人しか採用教育するノウハウがない、という組織は時流に取り残されるリスクがあります。

私は以下の体制構築がポイントになると考えています。

  • 日本語マニュアルだけではなく英語や中国語のマニュアル
  • 言葉が分からなくても映像で見て学べる動画解説マニュアル
  • 外国人を雇用する上での労働法律の理解と遵守
  • 日本人の管理職(店長)と同等以上の職務を遂行できる教育体制の構築

外国人がリーダーシップを発揮して、日本の飲食店で活躍する機会が増えて欲しいと考えます。

仕事の裁量が比較的自由

会社の就業規則やお店のハウスルール、1日のルーティンワークをしっかり守ることは当然ですが、

  • 売上や利益予算を達成ため
  • 来客数を増やすため
  • スタッフを成長させるため

こうした目標のためにはどんどん意見提案を出して、積極的に行動することが評価されるのが飲食業の特徴だと思います。

これは飲食業だけではなくビジネス全体に言えることですが、会社で成果を出して出世してきた役員や幹部は、ただ言われたことだけをこなしてそのポジションを勝ち取った訳では決してありません。

実績を上げるために自ら考えて積極的に行動し、困難に打ち勝ってきた人たちばかりです。

そうした人たちが評価するのはどういった人材なのか。
考えれば答えは難しくありません。

チームワークで達成感を味わえる

先述しましたが、大半の飲食店は自分一人で完結できるビジネスではありません。
仲間のために自分が存在し、仲間の協力があってこそ自分の存在や強みを認識し、輝くことができます。

1番分かりやすい例としては、ホールとキッチンのチームワークですね。
どちらが偉いだとか上だとかはありません。
共に果たすべき役割を理解し、全力でそれにあたることでお客様を感動させ、お店が繁盛します。

キッチンは安全で安心という大前提のもとで、美味しい料理をスピーディーに作成します。
器や盛り付け、温度、匂い、演出といった細部までこだわり、お客様に喜んでいただくというただ一つの想いのもと、日々準備をします。

それに対してホールは高い商品知識を身につけ、まず最初にお客様の不安や不満がないように対応できる上で、商品の魅力をできるだけイメージしやすいように伝えます。
商品に対しての興味関心や期待感を持って注文してもらえれば、実際にその商品を提供された時、さらには味わった時により一層強いインプレッションとなってお客様の脳裏に残るでしょう。

このように、ホールとキッチンはお客様の感動満足のために、明確な役割分担があります。
日頃から建設的な意見交換を行い、お互いの信頼関係を構築することが重要です。

お店で一丸となって取り組んだ結果、数値目標を達成できた時に味わえる達成感や喜びは忘れられない成功体験となります。

飲食業 まとめ

まとめ

ここまで飲食業で働くことでの得られるスキルやメリットをまとめてきました。最後に私から皆さんへ向けたメッセージもあります。

自分の強みを客観的に把握し、それを徹底的に磨こう

人と接することが大好きで接客をとことん磨きたい人、料理が好きで自分のオリジナリティ溢れる料理でお客様を感動させたい人、どちらも立派な動機です。

その先にはお客様の喜ぶ姿が必ず存在するはずです。

人は誰しも完璧ではないですし、苦手な部分は必ず存在します。
しかしまたそれもご愛嬌。
人間味があって良いではありませんか。
自分の強みを見つけ、それを磨き上げ、お客様や仲間のために何ができるのかを考え、行動していくことが大事です。

飲食業は確かにハードな仕事ではありますが、日々の仕事に忙殺されて毎日同じことの繰り返しでは、時間だけが過ぎていき、気づけば歳をとっていきます。

ぜひ自分の強みを見つけ、好きなことや興味のある分野で自分らしさを表現して下さい。

飲食業で本当に素敵な笑顔が出ているスタッフはきっとそういう人なんだろうと私はいつも思っています。

飲食業で苦しんでいる人たちへ

新型コロナウイルスの影響で営業自粛、休業になっている飲食業の仲間が沢山います。

接客がしたい、料理がしたいという強い想いがあるのに、気持ちのやり場がなく、ただじっと待つことしかできない人たちが大勢います。私もそんな一人です。世界が一瞬で変わってしまった感がありますよね。

自分のお店や会社に強い愛着を持ち、仲間と家族のような強い絆で結ばれている人にとって、もしも万が一お店や会社を辞めなくてはならなくなったとしたら、それは本当に悔しく悲しいことです。

今回のことを機に、飲食業界から他業種に転職を考えている人も大勢いることだと思います。
飲食業は平穏で平和な世の中があってこそ、皆が安心して働けるものだということを痛いほど実感しました。
今後また同じような状況になった時に、二度と今のように苦しみたくない、そう考えるのは当然だと思います。

しかしそれでも飲食業は素晴らしい仕事だと私自身は今でも思っていますし、これからもその気持ちは変わりません。
飲食業でしか味わえない、お金にも変えられない喜びや経験は沢山あります。

何より飲食業から優秀な人材が去っていってしまうことは大きな損失です。

今回は飲食業という仕事と向き合い、飲食業の良いところを再確認したいという気持ちでこの記事を書きました。

世の中が収束に向かって動き出し、再びまた世の中に活気ある「いらっしゃいませ!」の声が戻ってくることを願ってやみません。

収束したあかつきには、全国の飲食店に行って、存分に外食を楽しみたいと思います。

だからお互いに諦めることなく、新型コロナウイルスに決して負けないように過ごしましょう!

皆さんの笑顔に会えることを信じて。
どうか元気でお過ごし下さい。

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