皆さんこんにちは、齊藤です。
この記事を書いている2020年6月の上旬の時点で、新型コロナウイルスの影響で休業していた全国の飲食店も、ほとんどの店舗が再開しています。
まだまだお客様の流れは厳しく、お客様の数や売り上げは極めて厳しい状況であり、元の水準に戻るには早くても1年以上かかるかもしれません。
売上だけではなく、営業の規模自体も縮小している飲食店が大半だと思います。
私なりに今後の飲食業界を取り巻く環境、そしてこんな厳しい時期だからこそ、
飲食業界の存在意義について考えをまとめてみました。
飲食店の「アフターコロナ」対策
具体的な対策としては
- 営業日数や営業時間の縮小
- 最少稼働シフトによる人件費の削減
- 使用するテーブルコーナーの削減
- 仕入れの削減によるメニューアイテム数の削減
- Uber Eatsやデリバリー、テイクアウト、店頭販売といったビジネスのシフトチェンジ
大半の店舗は上記いずれかの対策をしていることと思います。
この中で5のシフトチェンジですが、これは「ビジネスの主従関係の逆転」ともいえます。
どういうことかというと、一例を挙げて説明します。
店内飲食がメインの居酒屋で、月に1~2割のテイクアウト売り上げが発生していたとします。
この場合
- 主・・・店内飲食
- 従・・・テイクアウト
こうなります。
こうした飲食店は今後、下記のような時流の変化に対応する必要があります。
- ソーシャルディスタンスによる坪当たり売上高&利益の減少
- 新型コロナウイルスの感染拡大防止の為の衛生管理コストの上昇
- 売上減少と一部営業コストの上昇に伴う販売価格の上昇
- 価格上昇に伴うあらたな集客施策の必要性
これらを踏まえて、従来の店内飲食によって得られる総合的な収益性が下がる可能性があります。
そのため、これまで「従」の存在であったテイクアウト、デリバリーといったスタイルが逆転して主流になる可能性が高いということです。
飲食店の皆さんには、これまでの固定概念を一度リセットし、食に携わるビジネスとしての新しい可能性を見出す機会としてほしいです。
飲食店経営者の厳しい戦い
飲食店の利益を確保する、または赤字を減らすには2つの手段があります。
- 来客数を獲得し売り上げを上げる
- コストを削減する
1に関しては従来の店内営業だけでは売り上げが確保できないので、少しでも補填するために、
先述した通りデリバリーやテイクアウトといった「販売チャンネル」を増やす、またはシフトチェンジすることが業界トレンドになっています。
2に関しては今でもメディアで取り上げられていますが、休業している中でも発生する固定費、
その中でも最たるものである「家賃」が重くのしかかり、これまで数か月、数年でコツコツと積み上げてきた利益がたった2~3か月で消し飛んでしまう状況です。
政府や自治体の各種支援も十分とは言えません。
これまで飲食業で長年頑張って組織、店舗、多くの従業員を抱えるに至った経営者であればあるほど、
多くの守るべき存在を抱えながら、厳しい状況の売り上げ、そして毎月のキャッシュアウトという厳しい現実と戦っています。
場合によっては、自分の家族よりも従業員を守るためのシビアな判断を迫らせる場合もあるでしょう。
本当に苦しい状況だとは思いますが、様々な困難を乗り越えて自分の道を切り開いてきた経営者の皆さんだからこそ、常人ではない強い精神力、行動力、決断力があるはずです。
ご自身を信じて行動し、この難局を乗り切ってほしいと願っています。
飲食店の存在意義
- 「家賃が払えない飲食店を助けるために、税金を使って支援するのは不公平」
- 「別に飲食店が無くなっても困らない」
- 「わざわざお店に行かなくても家で楽しめるから問題ない」
こうした論調も存在するのを何度も目の当たりにしました。
飲食店の存在意義、外食することの理由をあらためて考えてみたいと思います。
外食はもっとも身近なレジャー
「大切な人と、快適な店内で、おいしい料理やお酒を楽しむ」
外食の目的はこのように集約できると思います。
お洒落でラグジュアリーな空間で記念日を祝うことは、自宅ではできません。
また料理にしても、本場イタリアから輸入したピザ窯で、熟練のピザ職人が丹精込めて焼き上げるピザは、
再現性が低く、外食でないと味わえません。
デリバリーやテイクアウトにしても、前の前で焼き上げて出来たての状態の商品にはかないません。
自分が大好きで大切にしている馴染みのお店。
そして自分を大切に想って接してくれるマスターや大将、看板娘の女性スタッフはお店に行かないと会えません。
自分を喜ばせるために仲間やスタッフが用意してくれるサプライズ演出。
お世話になった人や大切な仲間が遠くに行ってしまうのを惜しみながら最後の食事を楽しむひと時。
一生忘れられない感動的なひと時も。
寂しさや悲しさを紛らわせたあの夜も。
飲食店はささやかながらも皆さんの人生に寄り添ってきた存在だと私は信じています。
存在価値を信じています。
1つでも多くの飲食店がこれから先も継続できるように、
皆さんにはどうか飲食店への温かい応援を心からお願い致します。